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やはりクライスに群がる同級生達。
勝率を稼ごうと落ちこぼれ的存在のクライスに寄って集ったのだろう。
しかしこれは群がる同級生の悲劇の始まりである。
何せクライスにとっては飛んで火にいる夏の虫状態だったのだから…。
「おいヴェルディー!俺と戦え!」
「は?俺が先だっての!!」
「黙れ!俺が先だ!!」
群がる事数名。
いや、正確には十二名。
「五月蝿いな、お前等?決まんないなら全員で掛かって来いっての…」
「言わせておけばッ!」
痺れを切らした一人の男が剣でクライスに切って掛かる。
「動くまでもないな」
真上から振り下ろされる剣を、ヴェニスの長い刃の部分で受け止め、そのまま跳ね返す。
切って掛かった男は反動で尻餅を付き、一瞬の出来事に残った数名は後ずさった。
「何してんだよ?落ちこぼれの俺に刃が立たないのか?」
再び相手を煽ったクライスは、態勢を軽く整えて相手を待つ。
怒りに身を任せて武器を振るいに来た数人相手に難なく躱す。
「やっぱその程度だよな。まだ一年だし…。じゃあ眠っとけ」
その瞬間クライスの姿が消えた…。
ーそしてそれを見ていた人達が気づいた頃には、クライスに挑んで行った十二名の人がその場で気絶していたのだった。
「…な、なに者なの…」
クライスのその姿を唖然と見続けるマリル。
仕方がないだろう教師と言う立場のマリルでさえ殆ど全く見えなかったのだから…。
そして近くにいた何時ものメンバーも驚きを隠せない。
カインはあの時助けてくれたのはやはりクライスだった事に確信を持っただろう。
メアリーは自分より弱いと決めつけていた相手が遥かに自分より強い事が信じれないでいる。
ルアはクライスは強いと言うことを何となくだがわかっていたため少し驚いているだけ。
シュウイはクライスの余りにもの強さに放心状態。
ミレニアは何故か顔を赤く染めていた。
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