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ー結果は一位クライス、二位メアリー、三位カイン、四位ルア、五位シュウイ、そして六位はミレニアで終わった。
「はぁ…あれだけ力は隠しなさいって言っておいたのに」
禁止エリアの学園の八階の窓から顔を覗かせる一人の二十代ぐらいに見えるこの女性。
金髪に長い髪に眼鏡を掛けてどこか見覚えがある。
「後で呼び出しね?…クライス君」
そしてそう呟きその場を後にした…。
ー時と場面は変わり教室へ。
今は昼休み中でそれぞれのご飯を食べている最中であった。
しかし食べるよりクライスの事で持ち切りになっていた。
「クライス!折角そんなに強いのに何で隠してたんだよ?」
「まあ、色々あるからな。でもルアは分かってたみたいだけど?」
「私は…信じてただけ…!」
照れながら言うルアの姿は本当に可愛く思える。
が、その時…
「「…クライスく~ん!大至急いらっしゃい?…」」
「……いってきます」
悪魔の声が鳴り響いた…。
誰も居ないところに移動し、転移を発動させる。
転移した場所は立ち入り禁止の八階にある校長室の前。
扉を二回ノックして中に入った。
「なんですか?…校長」
「確か私は余り目立たない様にと言った筈ですけど?【黒銀の白皇】」
「その名で呼ぶな…【暗闇の戦慄】」
この二人が呼び合った名はギルドの二つ名である。
「はぁ…それでようは何だ?」
「まあ、目立つなってのもあるんだけども、最近メアリーが何者かに狙われているらしいの。気が強いから狙われるのも無理ないけど、あれでも私の大事な"娘"だからね」
そう、メアリーの母親はこの学園の校長クレス=カミールであったのだ。
「要するに彼奴の護衛をしろと?」
「嫌なら良いわよ?娘に正体ばらすから~」
「…卑怯者め」
「何か言ったかしら?」
圧倒的不利な状況に立たされたクライス。
…第一なんで護衛するのが俺なんだよ。
先輩にも強い奴いるだろうが…。
クライスの頭の中に浮かぶあのにんまりとした顔。
その人物については次回明かそう。
「じゃあ頼んだわよ?」
駄目押しの最後の一言。
この言葉にクライスは頷く事しか出来なかった…。
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