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ー次の日、学年で行われる代表クラス決めである。
今日、競技場で行われるのはトーナメント戦。
ルールは使い魔抜きの勝ち抜き形式で勝敗は審判の教師が決める。
教室から競技場に、代表メンバーを残して生徒達を移動させ、代表メンバーは競技場の待合室の中に移動した。
「一回戦は私達1ーAとソルガ先生のクラス1ーDの試合です!
ソルガ先生の生徒達は、この時期にして結構な実力をつけているでしょう。
しかし、心配はありません!
私はあなた達の方が強い心を持ち、諦めない勇気を持っていると信じています。
それでは心して闘かって下さい!」
試合前、マリルが代表メンバーに気合いを入れ、フィールドに送り出した。
そして、待合室とフィールドを繋ぐ廊下。
光が射す方へと、歩む代表メンバー達。
「緊張するな…」
「カイン君は強いんだから自信持って大丈夫だよ!」
緊張して上がるカインをミレニアの明るい性格で癒やす。
ミレニアの言葉で落ち着いたのか、カインは御礼を言うと真剣な表情へと変わった…。
「お前は緊張しないんだな」
この一見を見て、クライスが声を掛けたのはメアリー。
「誰がお前よ?…それにこんな試合で緊張してたら上級生と闘う時どうすんのよ」
と言ってメアリーは、メンバーを抜かして先へと進んで行った。
…お~怖い怖い。流石は親子だな…。
その金髪のツインテールを、揺らしながら歩くメアリーの後ろ姿を、見詰めていたクライスの表情が、緩やかであったのを知るのは…
…ルアであった。
「………」
只今、自分の斜め前を歩くクライスを見詰めるだけ。
何を考えているのか、自身の手をぎゅっと握り締め、そのままクライスを見詰めるだけであった。
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