∬学園物語∬Ⅴカルト村Ⅴ

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「メアリー、俺は既に持ってる から四つでいいんだ」 と言って、黒い携帯端末を見せるクライス。 「な、なんであんたが持ってんのよ!!?」 「持ってたら悪いのか?」 頭の中が、混乱しているメアリーは、母親の前では何時も、上品な言葉使いだったにも関わらず、素をさらけ出した。 「久しぶりにメアリーの素が見れたわね。ふふ」 「えっ!?あっ…お、お母様…」 「メアリー?私の前だからって気にしなくていいのよ。」 「はい!お母様!」 メアリーに優しく告げるカミール校長。 何とまあ良い光景なのだろうか。 「こ、こいつが…お母様?…ぷッははは!!」 しかし、それを壊す者が一人。 「ははははッ!…あ、やばいかも…」 クライスの前に現れた鬼神。 「ふふ…貴様、何が可笑しい?」 「さぁ、答えて貰おうか?」 「いや…その…えっと…」 親子で鬼神と化した二人の前では、クライスは何もできず、悲惨な目に遭ったと言う…。 「では、頼みましたよ?」 「「はい!」」 みんなのアドレスを交換し終え、準備が出来た。 一方、腫れに腫れたクライスの両方の頬。 その頬は、痛々しく真っ赤になっており、くっきりと手形がついていた。 カインが、依頼書に魔力を流し、魔法を発動させる。 「行ってらっしゃい!」 そして、魔法陣が展開され、光を発したと同時に、一同の姿は消えていた…。 「クライスだけなら兎も角、メアリー達が着いて行って、本当に大丈夫だったかしら…」 今頃になって不安になるカミール校長。 その姿は【暗闇の戦慄】を想わせる面影などなく、一人の母親を想わせた。 無事に帰って来ることを祈るばかりのカミール校長であった…。
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