∬学園物語∬Ⅴカルト村Ⅴ

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ー宿に戻った一同は、明日に向けて直ぐに眠った。 只一人、クライスを除いて… 寝転がっていたベットから、起きたクライスは、宿から出た。 「当たったな…」 真夜中、この暑い時期だが、たまに寒い夜がある。 ちゃんと服をきておいて正解だった。 「後、ルア…来るなら寒くない格好しろ」 「…っ?」 クライスの後ろ、宿の扉の前に立っていたのはルア。 ルアは、後ろも見ていないのに、自分だと言うことを、当てられた事に驚いていた。 「早くしろ…時間ないぞ?」 「…うん…わかった…!」 それから数分後、防寒対策をしっかりとし終えたルアが、やってきた。 「ルア、お前なら何も言わないでも守ってくれると思うけど、これから俺に関することは一切他言禁止だぞ?」 ルアはそれに答え、コクっと頷く。 「じゃあ俺に掴まれ……転移」 クライスの袖に、ルアが掴まると同時に、転移を発動させた…。 そして向かったのはカルト村。 村の中心には、傾いた塔が建っており、祭られている。 他の建物も、黒一色で統一されていて、灯りも見えず真っ暗。 夜はとても、薄気味の悪い所だ。 そんな所に、やって来た二人は、先ず村を散策した。 「それにしても薄気味悪いな…。ルア大丈夫か?」 「…クライス君と…一緒だから大丈夫…」 「そうか…」 こんな薄気味悪い所で、いい雰囲気になるのは、何故だろうか。 それに、何時までも自分の袖を、離さないルア。 その甘える姿は、とても可愛く想える…。 …と、その時だった。 …今、魔力を感じた。それも近い! 突然、茂みから飛んでくる、闇の刃。 ルアを抱えて、回避したクライスは、直ぐにヴァニスを出し、戦闘態勢に入った。
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