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入学式を終えた次の日。
今日から学園生活が等々始まる。
「それでは一通りこの学園やその他の事について説明します。質問のある人は手を挙げてね?」
クライスの席はお決まりの窓側の一番後ろ…ではなく、何と昨日怒られてしまった女性教師の目の前。
つまり教壇の前だ。
…何で俺はこの先生の目の前なんだよ…。
殺気を感じたのは気のせいか、こんな事口が裂けても言えまい…
第一即耳に入るだろう。
「先ず私の自己紹介からね?私の名前は、マリル=フォード。魔力の属性は水よ!」
と、言って詠唱をしないで直径一メートル位の水球を手の平の少し上に出現させた。
突然出て来た水の球に、驚きの声や、余計な雑音が聴こえたがそれを水に流しマリルはどんどん話しを進めていく。
「先ずは学園と校則について話します。一階には職員室、医務室、事務室、が在ります。二階は今あなた達がいる此処、一年生の教室となります。それから3、4、5、6、7階と上級生の生徒達が使う教室。八階には立ち入り禁止です。入ろうとしても教職員と一部の生徒以外入れません。例外はありません。ここで何か質問ありますか?…って何寝てるんですか!」
マリルが激怒する矛先にはやはりクライス。
机に顔を伏せ、そのまま爆睡状態…
怒るのも無理はないだろう。
「ふぁ…ねむっ…話し終わりました?」
本当に眠そうに上半身を起こすクライス。
さっきまで魔法に驚いていた筈だが?
「ヴェルディー君居残りね?」
「……なッ!?」
「まあ一先ずヴェルディー君は置いといて…。はい、カミールさん何ですか?」
さっきのとどめの一撃で放心状態のクライスはさて置いたマリルは手を挙げていた真ん中の左の列の後ろから二番目の席の女の子に問い掛けた。
顔立ちが良く少し白い、綺麗な金色で長いツインテールの女の子はスッと起立をすると話し始める。
クラスの男子はこの容姿に釘付けになることだろう…
「今直ぐ即刻にこの教室から男子を排除してはくれませんか?」
だが、その幸せな一時は彼女の言動により唖然へと変わっていた。
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