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「…………何??」
自分が出てきたのは何の変哲もない一軒の民家。
きっと、この民家の扉とあの空間が繋がっていたんだと思う。
そんなことよりも、目の前の事態の方が不思議だ。
「……どうしたんだろう??」
ここの位置がわからないが、女の人やまだ学園にも入らない小さな子供がみんな一方に慌てた様子で走っている。
そんな流れに逆らうように武装した男の人たちが逆方向に走っていく。
人で溢れた道では身動きもとれない。みんなが我を忘れて必死だった。
「…何があったっていうの……」
全くこの状況をつかめないリーシャはただ呆然と立ち尽くす。
「リーシャ!!!!!」
ネロが声をあげ、ハッと顔を向けると通りの角に国の制服をきた人たちが目に入った。
リーシャはさっとローブのフードを深くかぶった。どうやら相手はリーシャに気付いてないようだ。
リーシャは近くにいる女の人の手をバッと掴んだ。
「っ!?」
その女性は驚いたように、脅えた様子でリーシャを見た。
「すいません、どうしたんですか??この状況…」
「しっ…知らないんですか!?」
「1人暮らしで、体調をずっと崩していたもので…」
そう言うと納得したのか、女性はさっきまでの敵意を消した。
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