信じていたもの

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「ネロ…人の気配だけには気をつけて」 「うん」 ネロの力強い返事を合図にリーシャは闘技場に向かって走り出した。 リーシャは普段使う入口から中に入る。角を曲がるたびに物陰にかくれて周りの様子を伺う 私も一応大陸1のギルド、ロリマーの幹部である『戦華の舞姫』だ 犯罪組織に侵入するのは何回もやってきた。 でもやっぱり学園だと緊張が違う… 任務なら相手を攻撃してもよかった…ましてや殺してしまっても… でもここは学園…いるのは学園関係者、見つかったらそこで終わりだ リーシャは呼吸するのを躊躇うほど慎重に中を進んでいく。 闘技場には誰もいなかった。スノウが言ってた通りならどこかに地下室があるはずなのに それからもリーシャは闘技場の中を駆け回った。 「リーシャ!!」 走っているとネロが小声で私に囁いた。 ネロの見ている視線の先を見るとそこには扉があり、その扉の上のプレートには 「………準備室」 と書かれていた。 もう闘技場をグルリと一周したがここ以外に部屋はなかった。  
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