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扉をこれ以上開けるのも入るのも躊躇してしまった
「リーシャ…」
またネロが私の名前を呼ぶ…その声は少し震えていた
「うん」
「ここだよ…ここにいるよ。たくさんいる………それに」
ネロはそこで言葉を止めて扉の向こうを見据えた。
リーシャはそんなネロを見ると意を決して扉を開けた。
「…………」
扉を開けたままリーシャは呆然と立ち尽くして中に広がっている景色を見た。
細長い部屋だ。部屋は奥に長く繋がっている
そして両サイドに広がるのは…たくさんの檻…
リーシャもネロもその光景に言葉を失う。
檻には確かに魔物たちが入っている。
でも、どの魔物も一言も言葉を発さずただ静かに怯えているだけだ
ただ1つだけ声が聞こえる…部屋の奥から聞こえるからハッキリとはわからない…
早くみんなをここから出さないといけない
リーシャは部屋の奥の方へと足を進めていった。
『………い』
『………て』
『くる………』
とぎれとぎれにかすかに聞こえる声…それにこの不思議な感覚…
どこか知ってる気がした。
部屋の奥が見える。奥には1つの檻とあらたな扉…
とびっきり大きな檻の中に光2つ目…
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