信じていたもの

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「…………」 リーシャはその檻の前で言葉を失ったまま目を見開いた。 『苦しい…』          『悲しい』 『お願い……』      『殺して…』 あの時と同じだ…。 目の前の檻に入っているのは私たちが襲われた時の魔物たちと一緒… 何体もの魔物の声が聞こえる… いろんなところから手や腕が生えていて光らない虚ろな目もたくさんある くっつけられた魔物たち… 「…………ッ!!!」 リーシャのその姿を見て気持ち悪くなり口を手で押さえた あもりにもショックすぎて吐きそうだった 「………ひどい」 ネロはそう呟き顔を逸らした。 もしかして…これがスノウの言ってた実験?? リーシャはまた目の前の魔物たちに目を向けた。 『殺して………』       『お願い』 『ごろじで…』     『殺して………』 そんな魔物たちの言葉にリーシャは悔しそうに目をつぶると静かに涙を流した。 「リーシャ……早く楽にしてあげて…」 ネロは悲しそうにリーシャに願う。ネロの顔を見てリーシャは深く頷いた。 「うん………」 手を前に突き出して檻の鍵を壊す。 ギィーと錆び付いた鉄の音がして檻が開いた。  
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