信じていたもの

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「ッ!!!!!」 檻が開くといきなり右側から何かが襲ってくるのが目に入り身構える… が、すでに遅くその何かはリーシャの脇腹にもろに入りリーシャは吹っ飛ばされた。 左側にあった檻に思いっきり頭をぶつけて一瞬意識が飛びそうになるが あまりの痛さに意識が飛ぶことはなかった。 右の脇腹を手で抑えると手に血がベットリとついた。 相当深くえぐられている。それにさっき打った頭からも何かが流れてくるのを感じた。 「リーシャっ!?」 ネロが心配そうに私のことを覗き込む。 「ッ…大丈夫よ♪」 無理に笑って見せたが立ち上がるのもやっとなくらいの痛み… 普段なら、こんな攻撃は喰らわない。だが、相手に対し、敵意がないことと、今の現状に気が動転しており周りが見えていなかった。 ふと前を見ると魔物がゆっくりと檻から出てきていた。 私が今くらったのはどうやら尻尾のようだ… その長い尻尾の先からは長く鋭い爪が出ていて、その先には赤い血がベットリとついていた 『殺して…』          『早く』 『逃げて…』 『止まらない』 『早く殺して…』 この子たちは自分の意思で動くことができないんだ… リーシャは何かに取り付かれたようにその魔物に近づく その間にも魔物の尻尾や爪や魔法がリーシャに当たり 大量の傷がリーシャを蝕んでいく。でもリーシャは痛みも感じないくらいその魔物しか見ていなかった  
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