2603人が本棚に入れています
本棚に追加
/557ページ
「まっ…魔物がっ…すごい数の魔物がヒスト平原に押し寄せてるの!!
だから戦えない子供や、その母親は山に避難。戦える者はみな平原へと国から命令があったの
あなたも早く逃げないと!!」
そう慌ただしく言ってその女性は走って行った。
「魔物が…押し寄せてる………ネロ」
「人がゴチャゴチャしてわかりにくいけど、確かにあっちの方から気配はするよ」
リーシャはそれを聞くとローブをバッとなびかせ、平原に向かう武装した人たちに交じり平原へと向かった。
私が寝ている間に、一体何が起きたの…お願いだから戦わないで、誰も傷つかないで
必死に祈るがその想いは行き交う人の群の中に消えて行った。
* * *
場所は変わり、そこは東と北は森に、南を海に囲まれた国の西側に広がる大きな平原。
周りを全体的に見渡せるその平原には、普段は生い茂る背丈の短い草だけ。
しかし、今広がっているのは学園を襲った魔妖とは比べものにならないほどの数の魔物と魔妖が群をなして平原に並んでいる。
そんな魔物と対峙するように国中の人が国を守るように武器を構えて立っていた。
一般の男の人から、ギルド、国の兵隊までありとあらゆる人がいた。その中にはもちろん、女性の姿も多くあり、まだ歳の若い子供の姿も見える。
そう、学園の生徒まで駆り出されていた。
最初のコメントを投稿しよう!