動きだした世界

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そしてゆっくりと仮面を外した。 その様子を周りのみんな、正確には国中の人々が息を呑んで見ていた。 「………」 仮面の下に隠れていたのは、透き通るように白い肌に白に近い綺麗な黄色の髪の毛をした青年… あまりに綺麗なその顔立ちに敵とわかっている幹部たちでさえ見とれてしまうほど。 「やはり人間ではないか…剣を向ける相手が違うぞ」 それでもまだわからないビリドはそんなことを言う。 するとその青年…と言ってても20後半くらいのその男は静かに笑った。 「いや…間違っていない。我らが刃を向けるのはお前であっている」 笑いながら手に持っている剣をビリドを向ける。その時、ビリドの表情が歪んだ。 「誰に剣を向けている」 明らかに怒りの入ったどす黒い声に周りは後ずさる。 しかし、相変わらず男は笑っていた。 「我らをお前らのような下等な生き物と一緒にするな…汚らわしい」 「貴様………」 ビリドの勘に触った、それ汲み取ってかビリドの側近たちが男に向かって武器を突き立てた。 「止めろっ!!!!そいつらは本当に人間じゃない!!下手に手を出すな!!」 オルキがそれを食い止めようと叫ぶが側近たちの武器は寸止めという状態だ。 「止めさせて下さい、国王!!あいつら『魔人』です 俺たち、人間の敵です!!」  
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