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しかし、一瞬何かが動いたかと思うと血しぶきが舞った。
「…………」
幹部たちを含める、周りにいた者がみな唖然とした。
その理由は敵の頭を守るようにビリドの側近たちの武器が敵の4人に刺さっていたからだ。
ビリドの側近は相手のためらいなく命を捧げる姿に武器を手放し後ずさった。
「………」
事情を知らない人たちは敵が死んだと喜び、4人のことを知っている者たちは愕然とした。
「おい…もう、演技はよせ」
敵の頭の言葉に4人が口元をニヤリと吊り上げた。
「痛い、痛い…」
そう言ってアプロは自分の腹に刺さった武器を自分で抜いた。
「いてててて………」
アレースは肩から切られた腕を無理矢理くっつけた。
「…………」
アルテも自分の腹に刺さった武器を抜き、ズレた眼鏡をかけ直した。
「やっぱ、いてぇな…」
オネイロスは綺麗に心臓に刺さった武器を抜いて相手の方に投げた。
その異様な光景に対峙する全ての者がゾッと後ずさった。
そしてその4人全員の傷はみるみる治っていった。
「別にお前たちが入らずとも…全員殺せた」
相手を馬鹿にしたような、嘲笑うかのように冷たく言い放つ。
「どうなっている………」
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