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「この者たちはこの間、学園を襲撃した者たちです。
その時戦った幹部の報告によると………敵は『死なない』と」
突然告げられた衝撃の事実に全てものが愕然とするしかなかった。
「………くそっ!!早くしろっ!!エリス!!!」
国が危ないと思ったのか、それとも自分の身の危機を感じてなのかひどく焦りだした国王。
何かを待っているのかさっき耳打ちした側近のエリスの名を叫んだ。
「遅くなりました!!」
その瞬間、エリスが現れた。
「……早く渡せ」
冷たく言い放ち現れたエリスに向かって手を差し出した。
するとエリスが懐から小さな玉のようなものを取り出し、ビリドに渡した。
そしてさっきまでひどく取り乱していたが、それを受け取った途端ビリドは前に出た。
「お前たちは我ら人間ではないのだな」
突然、自分の立場を高くしたように言い出すビリドに敵の頭も驚いたように目をパチクリする。
「そうだな……お前たちの味方ではないことは確かだ。だが、人間でないわけではない」
まるで子供を相手にするように笑いながら言う。
「我らは人間の体に、魔物の魂を宿した『魔人』なんだ…
体は汚らわしい人間のものだが心は魔物だ、俺たちはお前ら人間を全滅させるために立ち上がったのだからな」
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