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「では、お前は魔物の王として我ら人間に戦争をしにきたととらえていいんだな」
「『魔物の王』か……まぁ、それも間違いではない。そんなところだ」
敵の頭がそう言うとビリドはニヤリと笑った。
そしてさきほどエリスから受け取った玉を手に持つとその玉が光りだした。
その光がおさまるとそこにはビリドの手に捕まった小さな白い馬のような魔物がいた。
「どういうつもりだ貴様」
ビリドの手に囚われぐったりしている魔物を見たとたん敵の頭の顔つきが変わった。
その表情は人間に対する本能的な敵意、憎悪だった。
「こいつは八大聖獣の翼白馬(ペガサス)の子供だ。
こいつを殺されたくなければ速やかに帰れ」
そう言ってビリドは自分の武器をその魔物の子供に向けた。
「…………」
さっきまで余裕な顔をしていた敵が明らかに焦りを見せた。
それを見てビリドは自分の勝利を確信し微笑んだ。
「………ゼウス!!」
どうするのかと言った様子でアプロが敵の頭の名を叫んだ。
「……………フッ」
しかし、さっきまで焦っていた男がニヤリと悪い笑みを浮かべた。
「………殺すがいい」
「っ!?」
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