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ゼウスと呼ばれた男から返ってきた予想外な返答に今度は逆にビリドが焦った。
「……本気で言っているのか……」
「あぁ……確かに聖獣の翼白馬の命は大事だが、我らのお前たちへの憎しみや恨みには変えられん
我らはお前たち人間を殺すためにやってきたのだから」
はっきりとした口調で言うゼウスにビリドは一筋を汗を流しながら微笑んだ。
互いの間に不気味な風が吹き、少しの沈黙が流れた。互いが折れることを望みながら…
周りにいる人たちもみな息をのみ見守っていた。
「そうか………では」
痺れを切らしビリドが自分の武器である剣を高く振り上げた。
そしてそのまま一度ゼウスを睨みつけた。
「…………戦争開始だ」
そう低く呟きながらその剣を魔物の子に向かって振り下ろした時だった…
「「「「「っ!!!!!!!!!!」」」」」
何かが動いたかと思うとビリドの側近とロリマーの幹部が一斉に動いた。
「……………」
何が起きたかのか…
突然、目にも止まらぬ速さで現れた人物がビリド王の首に黒い刀を当てていた。
そしてビリドを守るようにその何者かに向かって側近と幹部が武器を向けていたのだ。
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