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その言葉の矛先は魔物に剣を向けているビリドと自分に武器を向けている側近と幹部へだった。
「ふざけるな、何様のつもりだ…………殺(ヤ)れ」
同じ人間だというのに簡単に殺せと言う…そんなビリドの言葉をうけて側近も幹部も武器を振り上げいっせいに振り下ろした。
普通なら見たくもないグロテスクな光景が広がるであろうその場所には静寂が流れた。
「…………」
「誰に刃を向けているかわかってるのか………ですって??」
そう、側近と幹部の武器はその人物の一歩手前で止まり、まったく動かない状況になっていた。
そして次の瞬間、側近や幹部たちは凄まじい勢いで弾き飛ばされた。
そしてそこに残ったのは驚いたように目と口を開いてあっけにとられているビリドと
そんなビリドに真っ正面から刀を向けている少女の姿。
「……………」
さっきの勢いで外れたフードからは光のないこの場所でもキラキラと金色に輝く長い髪をし綺麗な水色の瞳で相手を睨む…
リーシャがいた。
「…………リーシャ」
「………戦華の舞姫」
その思いもよらない人物の登場に全ての人が息を呑んだ。
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