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「戦争なんて私がさせない………」
そう言ってリーシャは刀をビリドに向けたまま敵の方に振り向いた。
「…………」
その瞬間、何か言葉で言えない不思議な感覚に包まれる。
しかし、リーシャはビリドと同様にゼウスと呼ばれた男を睨んだ。
「帰って………争ってはダメ、あなたたちの居場所はここじゃない」
睨んでいるのとは対称的にリーシャから敵に向かって放たれた言葉は優しかった。
「…………」
ゼウスを除く、オネイロスを含む4人はその言葉に心を動かされていた。
そして地上にいる魔物たちもなぜか動揺しはじめた。
「…………」
やはり…中身は本物ということですね。
大地の母の言葉は子を導き安らかにしてしまう……こうなったら
ゼウス1人が焦りの様子を見せたがそれも一瞬で消え去った。
そして見えないようにローブの中で指をクイッと動かした。
「………っ!!!!」
リーシャはとっさに何かを感じとった。この状況で誰かが魔法を放つ気配とこれから最悪な事態になるという予感を…
「…………そんな………」
振り返った時には遅かった…そんな最悪な感は見事に的中していたんだ
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