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「・・・・・・・」
長門の様子がおかしい。
いつも無口だが,質問に対する返事をしなかったのは初めてかもしれない。
長門はだらけた正座をし,うつむいたままでいて,さらに何かを祈っているかのように口元を小刻みに動かしており,肩も小刻みに揺れていた。
長門は怖がっているのか。
それとも…。
俺は飛びかかるように長門の前に立ち,肩を掴んで揺らそうとしたが,触れられない。
熱い。
異常な程の熱さだ。
人間の体温では,もうなかった。
多分沸騰した水と同じぐらいの熱さ,まぁ要するに100度なんだがそこまで長門は熱くなっていた。
よく見てみると顔は真っ赤で体からは湯気が出ており,さらに汗をかいていた。
長門のそんな姿を初めて見たわけであり,驚きを隠せなく,目を限界まで開け凝視した。
すると長門は,後ろに倒れ込みそうになり,俺は慌て後ろに回り込み,その小さな背中を押さえた。
「おい!
長門どうしたんだ一体何があったんだ!」
長門は苦しそうな顔をしながらも目をつぶり,口を小刻みに動かしていた。
そんな姿を見ているとこっちもつらくなる…。
すると長門は目を開け重苦しい声で話し始めた。
「今この空間をある程度の規模に保持することに成功,只今から私の情報連結解除並びにライダズーシステムへの移行を開始する。
今この空間にいる人が人でないものに変化してきている。
あとから現れるベルトを使って闘って。
戦い方はベルトが教えてくれる。
また・・・・・・・…。」
そう言った瞬間,長門は朝倉が消えたあの時と同じようにして消えてしまった。
一体何がどうなってんだ!
ここで今何かが起きている。
なぁ長門。
どこへ…
俺は頭をかき回し,ちっとも働かない俺の頭に腹を立てた。
ふと手のひらを見ると真っ赤にただれている。
そして立ち上がり窓の外を覗くと目の前には,…
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