第2章

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何でだ。 なぜなにも起こらないんだ。 掛け声が違うのか。 ポーズが違うのか…。 もうドアが持たない。 「ガチャドンッ!!」 ついに破られた扉の向こうには,すごい数のワームが所狭しとせめぎ合っている。 これはもうだめかもしれん…。 チクショ! チクショ!!! チクショ!!!! なぜ変身できない! いつもそうだ 肝心なとこでなぜつまづく! ハルヒが消えたとき結局解決したのは朝比奈さんが連れて来てくれた未来の俺。 そのときの俺は何をしていた。 眠っていた…。 そう悔やむ自分に容赦なくワームが襲いかかって来る。 ここまでか…。 ワームが手を振り落とした瞬間 再び窓を破りあの赤色の鉛が飛んできてその手を払いのけた。 そのワームたちをどかし道を作るとハルヒが勢いよく走り込んでその鉛を手で掴んだ。 「大丈夫だった? キョン,ユキ。 遅れてすまなかったわ。 そのベルト私の腰に巻いて!」 ヒーロー…だな。 「黙ってないで早く!」 「すまん今…」 チクショ手が震えまくる。ここで冷静でいられるやつがいたら,1億払ってもたりないだろう。 もちろん持ってないがな。 すると一体のワームがハルヒを払いのけ,ベルトが巻けない状態になった。 「いいから早くこっちに投げて! 」 そしてようやく外せたベルトをハルヒに投げたがワームが再び俺に襲いかかってきた。 もうダメだ そう思った瞬間 「変身!!!!!」 「HENSHIN」 と機械的な音声とともにワームが吹っ飛ばされ,そこには鋼色に光るスーツを着たハルヒと思われる人物がいた。 ベルトの部分には赤色の鉛のカブトムシがついていた。 これがライダーズシステム…か。 そうだ。 あれが変身に必要だったんだ。 そしてハルヒはスーツに包まれている人差し指をゆっくりと天に向けこう放った。 「おばあちゃんが言っていたわ。 人は守る者がいるから強くなれると。」
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