2 冷凍庫より冷たい教室

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停学処分、自宅謹慎。 しかし、陽史はお構い無しにバイクに乗って出かける。 街を流していると、同級生が私服で歩いているのを見つけた。 「おい、お前ら…学校どうした?」 「あ、陽史さん。今、校舎改装中で俺らは二週間休みなんッスよ」 話を聞いた陽史は、月美も休みなんだな…と思った。 なんとなく、月美の家の方へ向かう。 「なにやってんだ…俺は…これじゃ、ストーカーだろ」 ヘルメットを被り直し、バイクに股がると…背中を叩かれた。 「なにやってるの、陽史君」 振り向くと、私服姿の月美がいた。 「散歩だ!」 顔は赤いが、ヘルメットを被っているからわからない。 「なに怒ってるの?さては、私に会いたくて会いたくて会いにきてしまったのね」 月美の言う通りなのだが、あまりにも照れ臭いので陽史は何も言えない。 「陽史君…こないだは、ありがとうね」 礼を言う月美に、陽史は無言で親指を立てて答える。 「そういえば、二週間学校休みだってな?たまには勉強忘れて羽休めしろよ」 さて行くかとハンドルを握る陽史に、月美は神妙な顔つきで言う。 「私たち特進科は…1週間後には登校なの」 「そっか、でも1週間休めるなら良いだろ。じゃあな」 高校三年の2学期という大切な時期に校舎の改装工事…陽史は、それに対して疑問を抱かなかった。
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