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時は放課後。
放課後こそ我らの時間……。
よくも今日も「迷惑かけてくれたなこんちくしょうめが! 的な愚痴を大っぴらにぐちぐち出来る。なんて素晴らしい事なんでしょうっ! ねぇっ!!」
「おい、会長。途中から心の声じゃなくなってるぞ」
「なんですって!?」
……ああ、本当。
仕方ないですね。
聞き流して頂きましょう。
「みなさん!」
私が立ち上がり、部屋中ににらみを効かせれば、それだけで群衆のざわわ……ざわわ……も収まる。
そして、群衆の一人を指差しながら。
「貴女、さっきの私の言葉を聞いていましたか?」
指を差された少女、確か一年だったと思うけど。
私の質問にびくっと肩を震わせると、小さな声で……。
「……聞きました」
「もっと大きな声で!」
「き、聞きました!!」
私の一喝に背筋を伸ばし、硬直する。
叱られると思ったのか、今にも泣き出しそうな顔になっている。
「そう……、一番遠い貴女が聞いたのなら、この部屋の皆さん、全てが聞いているはずです」
そこでまた部屋中ににらみを効かせ、目線を直立不動になった一年に戻す。
「あれは、皆さんの心の代弁です!
そう、初登場でちょっと緊張してたとか、なんか新入生の異世界組が好き勝手やっててイラついてるとかではないのです!」
「は、はいっ! ありがとうございましたーっ!」
その一年の泣き声も含んだ謝罪の一言に、周りにいる他の生徒達も次々に立ち上がり、叫ぶように礼を言い、頭を下げていく。
そう。
こんな理不尽な意見が何故かまかり通る。
何故なら私が──。
「せいとかいちょうだからだよねー? リコリン?」
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