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「まず、人造獣についてですが……」
ナタルくんが書類をめくると、空中に書類に描かれた文字や絵が映し出される。
生徒達はいっせいに首を上へぎゅん!
「この人造獣。一年生が授業で人造獣の製造施設に行った際に不手際で連れてきてしまったものらしく、その時は通りすがりの一年生。ルナ・ツキシロが撃退、鎮圧。
しかし、一匹だけ逃げ出し、学園内に隠れ増殖。今もその数を殖やしうろついていると……」
空中の映像が恐竜型人造獣の映像に切り替わる。
二足で歩くトカゲのような風貌の人造獣。
気持ち悪い……。
こんなものが学園内をうろついているなんて、虫酸が走りますね。
「人造獣を撃退した異世界組……、ルナ・ツキシロは今どこに?
その子の不手際なんだから手伝わせましょう」
「はっ! ルナ・ツキシロは今部活動で学園からでています!」
使えねぇ……。
「リコリンが黒いこと考える前にあたし達でしょりしちゃったほうがいいとおもいまーっす!」
「別に黒いことなんか考えていません!
しかしルルルの言う通り。
今のうちに人造獣達を破壊してしまいます!」
増殖で増えているようですが、恐竜型が単体で増殖出来るはずがありません。
恐らく生物研究部かなにかに潜りこんだのでしょう。
「読みましたね。ルルル」
「もちろん!♪」
ルルルは元気のいい返事と共に、私の隣へと。
それを確認し、視線をナタルくんとアギトへ向ける。
「お任せください会長閣下! 俺とアギトで残りは進めておきましょう」
「いや、俺も人造獣の方にいきたい……ぐふっ」
アギトが文句を言う前にナタルくんの拳がみぞおちに入り沈黙する。
アギトは心配だけど「ナタリーならだいじょぶだろうかられっつごーっ!♪」
「だから私の一人称にかぶせてこないで!」
ナタルくん達よりこっちが心配だわ……。
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