937人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ
そんな仁の想いに、俺はどうやって応えればええんやろう
…今、思い出しただけでも泣きたいぐらい亮ちゃんのことが好きやのに曖昧で、弱くて、仁の優しさに付け込んでる俺
「忠義?」
「え、あ…何?」
「いや、ぼーっとしてるから」
「ん、ゴメン…」
どうしたらええの?
亮ちゃん、亮ちゃん…俺は、どうしたらええかわからんぐらいに亮ちゃんが好きや
頭に浮かぶのははにかんだ笑顔…友達としてもうまくいかんのやったら、好きやと、叫んでもええ?もう、わからへんよ…
「だぁーかーら、無理すんなって」
「っあ、ちょ…仁!」
「なに!」
「人、いっぱいやろ!」
道路の真ん中で抱きしめられた、つよい、暖かい腕の中…俺はまたこうやって甘えるん?
仁のためにも自分のためにも…俺の素直な気持ちを伝えやんとあかんのや…
「仁、離して…俺は」
「…だって離したらもう、戻って来ないだろ…」
「…仁、お願いやから…っ」
暖かい、腕が、痛い
最初のコメントを投稿しよう!