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夢を見ることが、ごく自然な運動になって久しい。
眠りの中で見る夢。
意識の中で見る夢。
あまりの夢の見過ぎで区別が出来なくなりつつある。
ここは夢か現実か。
精神的な苦痛か、建て付けが悪いだけなのか、開きづらい部屋のドアの感触で、それを確かめる。
開けば夢、無理なら現実。
生きづらいから死にたいと思っても、死のうとも思わない。
愛ある世界ならこんな私でも少しはマシになるのかなんて、また彼女は自問自答を繰り返す。
結果なんて望めない、分かっているのに。
分かっている。
暗闇の中を彷徨き続ける、光を見つけるため。
夢は自分に都合が良いように転がるとはよく云うが、果たしてここは……
「Wonderland」
「Wanderland」
さて、どうしたものか。
たった一つピースが違うだけで、良くも悪くも豹変する世界。
グッドエンド・バッドエンドは知らない間にルートが決まる。
例えば明日は、どちらに転がる?
正常、異常、思考の果ての至高、死亡。
彼女はゆっくり眠りにつく。
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