day 2

3/3
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
不意に目が覚めた彼女は、時刻を確認するべく目覚まし時計を手に取った。 チクタクチクタク。 目覚まし時計は規則正しく秒を刻むが、方向は反時計回り。 言葉通り、反乱でも起こしたか。 部屋の中を見回す。 真っ白で、大したモノもない部屋……特に変わったところはない。 相変わらずテレビに映る誰かの目はこちらをジーッと、何かを語るわけでもなく、時々瞬きをしていて。 いつもなら街灯やどこかの家の灯りが届く窓の外は、真っ暗というより真っ黒に塗り潰された様で、この白い部屋とは対照的なコントラストが、やたら鮮明に見える。 今は夏のハズだが、温度は高くもなく低くもなく、本来の意味での温度感を感じられず、知るはずのない真空状態を連想させる。 起きてから耳鳴りが止まないが、あまりに遠過ぎて一種のBGMに思えた。 もう、何度目だろうか。 妙な心地良さを感じている。 ベッドから立ち上がると、彼女は何の迷いもなく玄関に向かい、静かにドアノブを捻った。 今日はどこに行こうか……?
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!