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ある日、いつものようにおばあちゃんの家に泊まりに行った。
そして、いつものように手作りの、運動場付きの犬小屋を見る。
だが、平三の姿が見つからない。
わたしは尋ねた。
「平三は?」
おばあちゃんは静かに言った。
「平三はね、天国に行ったとよ。」
わたしは、驚きでしばらく声が出なかった。
「平三…死んだの…?」
わたしはやっとのこと、尋ねる。
おばあちゃんは静かに頷いた。
わたしは外であるのも忘れて泣いた。
大声で泣いた。
おばあちゃんやおじいちゃん、家族も慰めようとしてくれるが、泣き止むことができなかった。
しばらくして、わたしが落ち着いてくると、おじいちゃんが畑にある、平三のお墓に連れていってくれた。
大きな大きな石の下に平三は寝ていると言われた。
わたしはそれを見ると、静かに手を合わせ、
「平三が天国でも元気でいますように」
と呟いた。
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