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 光朗は家の裏で、咲の帰りを待ちながら薪割りをした。しかし、日が落ちても咲は帰ってこない。  流石に心配になり、咲を探しに行こうかと重い腰を上げようとしたとき、家の戸がカラリと開いた。 「ただいま帰りました」  聞き慣れた声に、光朗は慌て駆け寄り、咲を優しく抱きしめる。 「あぁ、よかった。お前に何かあったのかと心配した……」  深く息を吐き出す光朗に、咲は罪悪感を覚えながらも光朗の胸に顔をうずめた。 「申し訳ありません……。少し、お菊さんとの話しが長引いてしまいまして……」  そう言った咲に、光朗は内心『なるほど』と頷いた。  『お菊さん』というのは、近所に住む自他共に認めるお喋り好きの女性だ。 「お菊さんに捕まってしまったのなら、仕方がない。お前が無事でよかった」  光朗は咲の頭を撫で、ふわりと微笑んだ。
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