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「へ……へ……へくしゅん!!」
白髪で白衣を着た老人が自分の入れ歯が飛んでいきそうな位のくしゃみをした。
「誰かがワシの噂でもしているのかの?」
よっこらせ、と立ち上がる老人。
まだまた若い者には負けんわいと語っているかの如く彼はまっすぐの背筋をしていた。
彼がいるここはブラックスポット内の廃棄となった建物の中である。
「さて、そろそろ奴の所に行こうか。」
老人は歩き出す。向かった先は隣の部屋、手作りのドアを開ける。
「やっぱりここだったか。」
そこには、白い修道服を着た女性がいた。
背は高く、綺麗な目をしている彼女は服の所々に安全ピンがついている。昔のままだと言いたいだけだが、なぜか歳の割には二十歳前後にしか見えない。
「?どうしたのとうま?」
とうまと呼ばれたのはさっきのジジイである。
「そろそろ奴の所に行かんといけんからな。呼びにきたんじゃよ。」
「ギド博士の所だね。」
「うむ。支度は出来ているから、行こうかインデックス」
そうして、二人の年寄りは、ブラックスポットの地を歩み出した。
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