4人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
ここはX機関と呼ばれる国の秘密施設。
そして今、施設の中では、緊急を報せる赤色灯とサイレンが鳴り響き、バタバタと人が行き交う。
最上階にある作戦司令室。
「よし、全員出動!」
三人の若者を前にしたスーツをバリッと決め、制帽を深くかぶった男、橘司令はモニターをにらみ、命令する。
「ラジャー!」
ライダーズジャケットを着込み、ヘルメットを脇に抱えた三人の若者はそれぞれ敬礼し、走って司令室を後にする。
「雄大! 倫! 行くぜ!」
髪を短く刈り上げ、前髪をピンピンに立てた若者が爽やかに言う。名を間宮総介という。スマートだが、鍛え上げた体をしている。
「おうよ! 総介、お前には負けんからな!」
190を優に越える巨漢は、これまた短く刈り揃えたたくましい若者が吠える。土田雄大。これが彼の名前だ。
「あ、先輩! 待って下さい!」
線の細い感じの童顔な若者は二人の先輩に遅れまいと慌てて走る。黛(まゆずみ)倫太郎が彼の名だ。髪は長めでふんわりウェーブがかかる。
そして、しばらくの後、三台のバイクに跨がった先程の若者が次々に飛び出してゆく。
その三台のバイクには大きく『X』の文字が刻まれていた。
「よおし、ぶっ飛ばせ!ロードゼファー!」
最初のコメントを投稿しよう!