その名はX!

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 ここはX機関と呼ばれる国の秘密施設。  そして今、施設の中では、緊急を報せる赤色灯とサイレンが鳴り響き、バタバタと人が行き交う。  最上階にある作戦司令室。 「よし、全員出動!」  三人の若者を前にしたスーツをバリッと決め、制帽を深くかぶった男、橘司令はモニターをにらみ、命令する。 「ラジャー!」  ライダーズジャケットを着込み、ヘルメットを脇に抱えた三人の若者はそれぞれ敬礼し、走って司令室を後にする。 「雄大! 倫! 行くぜ!」  髪を短く刈り上げ、前髪をピンピンに立てた若者が爽やかに言う。名を間宮総介という。スマートだが、鍛え上げた体をしている。 「おうよ! 総介、お前には負けんからな!」  190を優に越える巨漢は、これまた短く刈り揃えたたくましい若者が吠える。土田雄大。これが彼の名前だ。 「あ、先輩! 待って下さい!」  線の細い感じの童顔な若者は二人の先輩に遅れまいと慌てて走る。黛(まゆずみ)倫太郎が彼の名だ。髪は長めでふんわりウェーブがかかる。  そして、しばらくの後、三台のバイクに跨がった先程の若者が次々に飛び出してゆく。  その三台のバイクには大きく『X』の文字が刻まれていた。 「よおし、ぶっ飛ばせ!ロードゼファー!」
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