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神騎 葵 17歳
王家の血を継ぐ神騎家長男
生まれてから18回目の
誕生日を迎えると
正式に王子と認められる。
王子になるための勉強は
葵にとってとても
苦しいものだった。
*
外には雪が積もり、冷たい風が
頬に当たる。
「…さむ…」
俺は、神騎家長男、
神騎の名を継ぐ者として
幼い頃から、ずっと親に
あらゆる知識を
叩き込まれていた。
生まれてから一度も
外出は許されず、勉強だけの
毎日だった。
そんな俺には"外"というものは
驚くくらいの
美しい世界だった。
窓から見るだけではなく、
触れることのできる世界。
基本的なことを抜くと、
俺の勉強内容は
自分の国のこと
人口、店の数、町並み…
どこに、なにがあって
何をしているか…
そんなものを
覚えさせられていた
外出ができない俺には
とても酷な勉強だった。
片づけても片づけても
終わらない。
______まるで、悪夢だ。
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