第3章

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そう言って、先生は電話を切った。 私の耳には、先生の電話越しの声が残っていて、余韻に浸っていた。 先生がくれたメールと先生からの着信を保存した。 先生は初めて電話したこの日の次の日から、私を廊下で見掛ける度に声を掛けてくれるようになった。 「元気か?」とか「風邪引いてないか?」とか… 先生は私の担任なんだから、廊下で見掛ける度に声かけなくても、私の様子とか解ると思うのに…、先生なりに私の事を気遣ってくれてるのが分かる。 先生なりの優しさ…。 私の事少しでも気に止めてくれてるって事だよね、先生。 先生の声掛けられると私の心が、急激に動き出す。 テンションが上がる。 嫌な授業でも、楽しく受けれる気になる。 先生に言われた通り、嫌な事があった日や、気分が凹んだ日は溜め込まずに先生にメールするようにした。 先生は案外マメみたいで、直ぐに返信が返ってくるから、嬉しい。 先生とメールした日は、ドキドキしっぱなしで夜もあんまり眠れない。
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