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今まで一度も怒ったことのない理沙の母親が思い切り理沙の頬を叩いた。
「いい加減にしなさい!自分で選んだ道だと言うなら何故、涙を流しているのよ!」
理沙は俯き口を閉ざした。
「それにね、理沙。私はあなたに平気で他人を殺せるような、そんな人間になって欲しくないの。家のことはいいから、行きなさい。」
理沙はこの言葉でようやく決意したように立ち上がり、家を飛び出した。そして、部屋に残った母親はひとり呟く。
「ようやく余計なものを全て捨てられたみたいね。」
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