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理沙は楽しそうに頷き、なにか言おうとしたが、言葉は出なかった。丁度牡羊座、いや、恋人座を横切るように星が流れたからだ。
「ねぇ、博人。約束して、お互いの夢が叶うまで見捨てないって。」
しばらくして理沙は呟いた。博人は何も言わず、ただ力強く頷いて小指を立てた。理沙は博人の小指に自分の小指を絡ませ、約束を守ることを誓った。そして、その時二人の頭上再び星が流れた。
「今、また流れ星が見えなかったか?」
しかし、その問いは理沙の耳に届いていなかった。
理沙は満天の星空を滑る流星が再び流れてこないか探し、博人の夢が叶うことを祈っていた。それを見た彼も流星を探し、二人の関係が末永く続くことを祈っていた。
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