1人が本棚に入れています
本棚に追加
「そういえば!」
そこまで思い出を辿って、彼は先程の携帯に入ったニュースを思い出した。
「理沙が別れを切り出したのは、出発が決まったからだったんだ!クソッ、幸せにならなきゃいけない人の為に星は輝くなんて言いながら理沙の本心に気付けなかったなんて!」
そう言いながら、彼は自分でも気付かないうちに駆け出していた。彼の脳裏に、彼女が照らすものも包むものも無いような荒れ果てた地に独り立っている映像が浮かぶ。
「駄目だ!そんな所に行かせるか!理沙、今逢いに行くよ!」
彼は後悔していた、彼女に別れを告げられてからずっと、悦びや痛みなどから目を逸らしていたことを。
「もう目を逸らさない。どんな顔でも良い君を、理沙を俺の腕の中で見ていたいんだ!」
そして、彼は一年前に約束した場所へ。
最初のコメントを投稿しよう!