悪夢『対インベーダー』

7/8
40人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
最初は、 都合の良い幻覚だと思った。 真紅のマントをマフラーのように巻いた真っ赤な『そいつ』は、イソギンチャクを手に持ったバカでかいトマホークで真っ二つに切り裂いた。 ブグジャ………!! しかし、イソギンチャクは、そいつを飲み込みながら再生する。 「なっ……!!」 『バトルカッタァァッ!!』 だが、紅いロボットの腕部から鋭いカッターが出現し、殴るように内部からイソギンチャクの体を細切れにした。 「――――!!!!???」 イソギンチャクが声にならない悲鳴を上げた。 『ゲッタァァウィングッ!!』 紅いロボが、空高く舞い上がる。 触手がその後を追うように伸びていった。 触手がロボットを捕えた。しかし、ロボットはそれを引きちぎる。 『ゲッタァァビィィィムッ!!』 プチュゥゥゥゥン!! ロボットの腹部から放たれた閃光は、インベーダーを焼滅させた。 何もかもが圧倒的だった。 今や静かにたたずむ真紅のロボットは爆炎の中、まるで笑っているようだった。 通信回線が開いた。 『よう、大丈夫か?』 若い男の声だった。 「あぁ、助かった。」 色々と聞きたい事はあったが、まず彼は礼を言った。それから 「あんたは?」 とだけ、聞いた。 思案するような間が空き、男は口を開いた 『俺は………俺は、流竜馬』 意識が朦朧としていた。明らかに血が足りていない。 「ナガレ、リョウマ………何者、何だ?」 この質問に、恐らく彼は、とてつもなく邪悪に微笑んでいたのだろう。 男………流竜馬は告げた 『……このスーパーロボット、ゲッター1のパイロットで………この先のインベーダーポイントに居る、早乙女賢を………殺す男だ……』 「………な、に…?」 その言葉を聞いた直後、彼の体は、限界を迎えた。image=307743121.jpg
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!