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最初は、
都合の良い幻覚だと思った。
真紅のマントをマフラーのように巻いた真っ赤な『そいつ』は、イソギンチャクを手に持ったバカでかいトマホークで真っ二つに切り裂いた。
ブグジャ………!!
しかし、イソギンチャクは、そいつを飲み込みながら再生する。
「なっ……!!」
『バトルカッタァァッ!!』
だが、紅いロボットの腕部から鋭いカッターが出現し、殴るように内部からイソギンチャクの体を細切れにした。
「――――!!!!???」
イソギンチャクが声にならない悲鳴を上げた。
『ゲッタァァウィングッ!!』
紅いロボが、空高く舞い上がる。
触手がその後を追うように伸びていった。
触手がロボットを捕えた。しかし、ロボットはそれを引きちぎる。
『ゲッタァァビィィィムッ!!』
プチュゥゥゥゥン!!
ロボットの腹部から放たれた閃光は、インベーダーを焼滅させた。
何もかもが圧倒的だった。
今や静かにたたずむ真紅のロボットは爆炎の中、まるで笑っているようだった。
通信回線が開いた。
『よう、大丈夫か?』
若い男の声だった。
「あぁ、助かった。」
色々と聞きたい事はあったが、まず彼は礼を言った。それから
「あんたは?」
とだけ、聞いた。
思案するような間が空き、男は口を開いた
『俺は………俺は、流竜馬』
意識が朦朧としていた。明らかに血が足りていない。
「ナガレ、リョウマ………何者、何だ?」
この質問に、恐らく彼は、とてつもなく邪悪に微笑んでいたのだろう。
男………流竜馬は告げた
『……このスーパーロボット、ゲッター1のパイロットで………この先のインベーダーポイントに居る、早乙女賢を………殺す男だ……』
「………な、に…?」
その言葉を聞いた直後、彼の体は、限界を迎えた。
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