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他殺願望―
嘘をつく度に
落ちた視力を
眼鏡の度数を上げて
カヴァーします
ですが
厚くなったレンズからでは
世界は歪みます
あの踏切を乗り越えたら
違う世界が待っていますか
重たい鉄達の摩擦の狭間に
鍵は産まれますか
早朝
私は始発に乗った
逃げる様に
ビルの隙間から
波をうって漏れる斜陽
車窓を透過して
私の右肩を舐める
現実味を帯びる世界
カビ臭いリュックに顔を伏せる
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