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文は、秘薬を口に含み敏の口へと移した。
その時だった!ティガレックスは、その2人の隙を見逃さず一気に詰め寄り大きな腕で吹き飛ばした!
花雪「やばい!逃げるんだ!」
しかし、その大きな腕は2人を捉え敏と文は高々と空へと吹き飛び折り重なるように地面に叩きつけられた。
2人とも、そのまま動かなくなった。
猫の足跡の3人は、ティガレックスに向かって行こうとしたが、ティガレックスは傷を負いすぎたことと、目の前に横たわる2人の人間をみて満足したのか高々と跳び去っていった。
花雪達は、敏と文のもとへ走り様子をみる。すると、かろうじて意識がある敏が、
敏「私たちは、もうダメみたいです。グフッ あなた達にお願いがあります。私たちの死をポッケ村の長老に伝えて下さい。」
花雪「わかった。私たちがいながらに、すまなかった」
敏「いえいえ、グフッ。
あなた達のせいではありません。」
ヒデビル「何か、俺達に出来ることはないか。」
敏「…。私たちには、娘がいます。名前は、みずきといいます。まだ子供ですがいずれハンターとなるでしょう。その時がきたら、娘を猫の足跡へ入れてもらえないでしょうか。」
トゥニー「わかった。約束する。あなた達の雄志も必ず伝える」
敏「あ り が…」
敏と文は、そのまま息を引き取った。残された3人は2人を雪山の山頂へ運びそこに墓を作り埋葬した。
花雪「みずき、か。」
3人は、ティガレックスの事と敏と文の事を伝えるため雪山をおりポッケ村へと向かった。
村へ着くと3人は長老のもとへと行き全てを話した。
長老「そのティガレックスは、かなり傷ついたのであろう。雪山が穏やかになっておる。みずきの両親の事は私から話しておこう。みずきは、わしが面倒を見る。みずきがハンターになり一人前になった時、そなたらに託すとしよう。」
花雪「わかりました。では、その日まで私たちは旅に出ようと思います。恐らくあのティガレックスは数年間は活動しないと思います。その間に、何かあればいつでもお呼びください。」
長老「わかった。」
その後、猫の足跡はポッケ村をあとにした。
二章に続く
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