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生徒会室は特別教室棟の四階の一番奥にある。アルフレッドの教室のある、第一教室棟からは相当の距離があった。
「結構、遠かったな。」
そう言いながら、生徒会室の扉を開いたアーサー。そのとき、
「遅かったねぇ、坊っちゃん。」
「髭がなんでいるんだよ。」
すごく嫌そうな顔でフランシスを見るアーサー。
「なんでって…坊っちゃんが呼んだんでしょうが!」
「知るか。俺にはお前を呼んだ記憶はない。」
「…この忘れ物大王め…」
<ボソッ>とフランシスの吐いた言葉を耳にした瞬間、アーサーはフランシスに向かって万年筆を投げつける。間一髪で避けられた万年筆は<ドスッ>っという音をたて、壁に突き刺さった。
「おまっ!?危ないでしょーが!!」
「チッ…避けやがったか。」
「(っていうか、万年筆が壁に突き刺さるって…どんな力で投げてるんだい…)」
2人の喧嘩を傍観しているアルフレッドはそう思った。
「まぁ、坊っちゃんに振り回されるのは馴れてるし…楽しいからいいけどね。」
一通り喧嘩したあと、フランシスはそう言いながらアーサーを引き寄せて……頬にキスをしたのだ。
「なっ!?」
不意討ちに真っ赤になるアーサー。
「真っ赤になっちゃって…可愛いな~、坊っちゃんは。」
「死ね!変態!」
アーサーは思い付く限りの罵詈雑言をフランシスに浴びせかける。フランシスはそれを受け流しながら、アルフレッドのほうを見た。その瞬間、フランシスは顔を蒼白にした。何故なら…そこには、魔王様が降臨していたからである。
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