23人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれ?」
……おかしい。鍵穴を回したが鍵は既に開いている。掛け忘れた?いや、ちゃんと閉めた筈だ。間違ない。
まさか……空き巣!?
その可能性も拭えなかったから俺は急いでドアを開けた。
………特に荒らされたような形跡はねぇ。――ただおかしい事に女性のものと思しきローファーが一つ。
母さん?母さんは俺が10歳くらいに他界したから先ずない。親戚……居る事はいるが、俺の家の鍵なんて持ってねぇ。
じゃあ………誰だ?
俺の疑問に答えるかのようにスリッパの音をパタパタと響かせ、一人のメイド服を着た女性がそこにいた。
「お帰りなさいませ。ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも……私にしま―――『バタン!』
……………。
落ち着け、いや餅つけじゃねぇ落ち着け!いいか俺、落ち着くんだクールになれ。俺は薬なんてやらねぇがあれは幻覚だ。間違いねぇ。
「ふぅ……。」
『がちゃり!』
「ただいまっ!」
「はい、お帰りなさいませ。」
……………。
いや、これは夢だ。悪い夢だ。奪還屋の蛇眼なんだよ、これ。一分経って悪夢(ゆめ)は見れたかよって言ってくれ!蛮ちぁぁああん!!
最初のコメントを投稿しよう!