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「はぁ……疲れました」
かなかの家は結構大きな会社を経営しており、その為に見合い話も沢山舞い込んで来る。
確かに今まで見てきた中でも格好いいと思った人はいた。
だけど、その人はきっと、外を取り繕ったかなかを見ていたに違いない。
それがわかるから、今まで全ての話を断ってきたのだ。
すると、こんこんと扉をノックする音が。
「お嬢様。お茶をお持ちしました」
「ありがとう菅原。入って」
部屋に入ってきたのはかなかが小さな時からお世話になっている初老の執事だ。
昔から出張しがちの両親の代わりとして、かなかを暖かく見守って来てくれた、本当のかなかをよくわかっている数少ない人だ。
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