エゴイストなアイツと兎耳な自分。(完)

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「先ずは黒猫の捕獲が先決かな?いや、野良猫なら病気の心配が…じゃあとりあえずこの後ペットショップに行って、買わなきゃだね」 「ちょっと待て。弓崎、ストップだって」 俺の話聞いてねぇし!この自己中ヤローが。 あと体液ってなんだ。俺は何をさせられるんだ? この“実験”状態の弓崎に何を言っても無駄、って分かってるけど諦められるか!……諦め…られるか。うん。 「よし、今すぐペットショップに行って黒猫を買ってこようか。それから実験するからミヤ、一緒に俺の部屋行くよ。あ、てか『ミヤ』って名前からしてネコっぽいね。やっぱりミヤはネコだって事だ。大丈夫、ネコになっちゃっても可愛がってあげるから。ついでにマタタビも用意しようか、ミヤも酔っ払っちゃうのかな?それはそれで楽しみ。さぁ善は急げって言うしレッツゴーだね」 弓崎に手を掴まれて無理矢理引っ張られた。少し痛いけど、気にしない。どうせ何を言っても無駄だ。 それから、俺と弓崎はペットショップを数件巡り(弓崎君のお気に召す黒猫が中々見つからなかったのさ、アハハ…ハァ)漸く見つけたナイスな黒猫を連れて弓崎の部屋へ。 そして、そして…… ここから先は言いたくない…てか思い出したくない…… 本当に記憶も曖昧な部分があるし、何なんだ。唯一の救いなのは、今は健康で元気だって事くらいだな。全く、問題なし。体調オールグリーン。 あぁでも覚えている事もあるっちゃある。例えば、部屋に行って早々に体液を採取されてしまった事とか、手術台みたいな物に乗せられて、縛られて、弓崎が作った怪しげな薬を飲まされた事とか。 そして…… ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああおああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ 大丈夫、何も覚えてない。 気のせい、気のせい。アレは夢。変な薬を飲まされた事による幻覚。 俺はマタタビとかに反応してないし、全然。にゃぁとかも言ってないから。うん。 あぁ、もう。 あんのクソバカ弓崎め。 今回、俺はエゴイストなアイツに本気の本気で殺意が芽生えました。      
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