*01

10/30
前へ
/48ページ
次へ
新八は俺を立たせると着流しを整えているのか、凄く引っ張られた。 そりゃもうぐいぐい。 「しっかりして下さいよ。まったく」 「悪ぃな、新八」 今日だけですよ?そう言って新八が笑った気がした。 気がしただけだけど。 「──よし、出来た!」 「おぉ、ありがとな新ぱ──」 新八が俺から離れた刹那──支えを失った身体がふらり、と傾いた。 「うわっ、銀さん!?だ、大丈夫ですか?!」 俺は座り込むことで倒れることはなんとか防いだ。 「わ、悪ぃ。ちょっと目眩、しただけだから……」 咄嗟に出た嘘を吐く。 .
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

932人が本棚に入れています
本棚に追加