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ショウは困惑して、間抜けな声を出した。
「はぁ?」
「はぁ?ではない!なんじゃお前は。遅刻するどころか日を間違える!おまけに礼儀もなっとらんようじゃし……。そんな奴に大事な図鑑や萌えもんを預けられるわけがなかろう!」
オーキドは息切れをおこす程一気にまくしたてた。
「そ、それは済まなかったと思ってます。だから許して下さい。このとーりっス!」
ショウはオーキドに深々と頭を下げた。
「……………」
謝るショウを見て、オーキドはまたも考えていた。反省をしているようだし、何よりも“あの人”の紹介だ。無下にはできない。
かといって、この少年の態度からは無鉄砲な性格が滲み出ている。そう、若き日の自分自身のように。
恐らく、こいつは何か大きなことをする。オーキドは直感だったがそう思った。問題は、それが善か悪か。
「それでは、お前にチャンスをやろう」
「マジスか!?」
それを判断する為にオーキドは質問をしようと思った。善ならば可、悪ならば不可、話は単純だ。
「質問に答えて欲しい」
「お安い御用っス!」
「では聞こう。……君にとって、萌えもんとは何か」
「俺にとって、萌えもんとは何か……?」
「うむ、かつての萌えもんマスター達は『仲間』『友達』『相棒』……あとは『嫁』などと表した。君の、君だけの答えを聞きたい」
オーキドの目は、真剣だった。
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