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ショウは考えた。彼なりに一生懸命考えた。そして、一つの答えを出した。
「オーキドのじーさん、俺は萌えもんは『仲間』『友達』『相棒』『嫁』、その全てだと思ってる。共に旅する仲間でもある。楽しく笑い合える友達でもある。辛くても協力して戦う相棒でもある。それに、好きになったら嫁にしたいって気持ちもわかる」
「それで、結局お前の答えは何なのじゃ?」
ショウはオーキドの目をまっすぐに見て、こう言った。
「……家族です」
「家族?」
「仲間、友達、相棒、嫁……。そのどれでもあるけどどれでもない。だから『家族』。萌えもんは俺にとって、そんな温かいものであって欲しい。そう思うんス」
オーキドは少し驚いた。ここまで明確な答えを出せるとは、やはり……。
「良い答えじゃ。では君に図鑑を託そう」
「あ、ありがとうございます!」
「うむ、今後一切遅刻はしないことじゃ」
苦笑いするショウだったが、もう一つ大切なことに気が付いた。
「ところで、萌えもんは?」
「心配するな。ちゃんとおるぞ」
そう言ってオーキドは一つのモンスターボールを手渡した。
「あ、やっぱり選択肢はないんスね……」
「当然じゃ。遅れたくせに何を贅沢言っとる」
「いえ、別にいいんですがね」
ショウはボールを地面に軽く放った。ポン、と軽い音がして、中からオレンジの髪が綺麗な女の子が出てきた。
「炎の萌えもん、ヒトカゲじゃ」
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