夕闇…シカナル

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「ナルトのバカ!!」 「サクラ…ちゃん?」 結界を張っていたはずなのに 見知った桜色をした髪の少女が 泣きじゃくりながら、こちらを睨み付けている。 良く見れば、その後ろには 髪を高く結った少年と、普通よりも一段と白い肌を持った少年が 立っていて、申し訳無さそうに下を向いて項垂れていた。 俺は、ゆっくりと身体を向き直し なんで泣いているのだろうかと 首を捻っていると、桜色をした少女が こちらへ勢い良く歩いて来て 頭をポカリと叩いて、また涙を流し始める。 「バカ、バカ、バカ…あんた一人が犠牲になっても、私達の心が救われないのよ!!」 「ごめん…」 両腕が消えてしまって もう、彼女を抱き締めてあげることも出来ない。 どうしたら良いのか分からず 助けを求めるように、髪を結った方へ視線を向けると 彼は溜め息を吐いてから、サクラの肩に手を置いた。 「悪い、ナル…必死だったコイツにどうしても嘘が吐けなかった」 「そうだろうなと思った」 仲間内である、シカマルとサイは 何時もの服装ではなく、暗部の衣装を身に着けていた。 もちろん、自分も暗部姿だ。 最後だから、隠さないと決めた 最後だから、彼等も隠さないと言ってくれた 黒いばかりのこの衣装が まるで喪服の様に映り 闇との同化を 早めて行くような気がしてしまう。 「…まだ、他にも来ちゃったみたいだね…」
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