RME…土銀

1/4
前へ
/26ページ
次へ

RME…土銀

星が綺麗な夜だから 君に会いに行こう ―――リミテットエディション――― 「珍しいな…」 こんな夜は、何故か人肌が恋しくなるものだ。 神楽や新八に言えば、いい年をしたオッサンが何を、と言われてしまいそうな気がした。 いや、実際に言われるだろうな。 自分でも、この感情を抱いた自分に恥ずかしさを感じる。 「ああ、丁度通りかかったからな…それ以外に理由はねぇ」 手すりに凭れて、下を見下ろしていると 短髪の黒髪で、端整な顔をした男がぶっきらぼうな顔をして立っていた。 本人は"ただ通りかかっただけ"と言っているが、ここは屯所から少し離れた場所。時間帯も"ちょっと散歩に行ってくる"と言える様な時間ではなかった。 しかも、理由はないと蛇足を付けている辺り、明らかに自分への用事があると考えて、まず間違いないだろう。 「で?こんな真夜中に何の依頼だ?」 用事があるとすれば、本業である万事屋の自分にだろうと思い。 理由はないと言った癖に、人の家の前で煙草を吹かし始めた男へ、メンドクサそうに用件を問い掛ける。 硬派なんだか、恥かしがりやなのか知らないが この男の扱い方は、多少なりとも心得ているつもりだ。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加