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RME…土銀
星が綺麗な夜だから
君に会いに行こう
―――リミテットエディション―――
「珍しいな…」
こんな夜は、何故か人肌が恋しくなるものだ。
神楽や新八に言えば、いい年をしたオッサンが何を、と言われてしまいそうな気がした。
いや、実際に言われるだろうな。
自分でも、この感情を抱いた自分に恥ずかしさを感じる。
「ああ、丁度通りかかったからな…それ以外に理由はねぇ」
手すりに凭れて、下を見下ろしていると
短髪の黒髪で、端整な顔をした男がぶっきらぼうな顔をして立っていた。
本人は"ただ通りかかっただけ"と言っているが、ここは屯所から少し離れた場所。時間帯も"ちょっと散歩に行ってくる"と言える様な時間ではなかった。
しかも、理由はないと蛇足を付けている辺り、明らかに自分への用事があると考えて、まず間違いないだろう。
「で?こんな真夜中に何の依頼だ?」
用事があるとすれば、本業である万事屋の自分にだろうと思い。
理由はないと言った癖に、人の家の前で煙草を吹かし始めた男へ、メンドクサそうに用件を問い掛ける。
硬派なんだか、恥かしがりやなのか知らないが
この男の扱い方は、多少なりとも心得ているつもりだ。
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