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火影岩の広場へ
数名の影が集まっている。
全て、自分と関わった者達だ
神様は残酷だな…
ひとりだったら、こんなにも
胸が苦しくなることも無かったのに…
「何、勝手に消えてるんだよ!!」
「ごめん」
「ナルト君…駄目だよ…」
「ごめん」
「ナルト!!お前一人で、重い物を抱えることも無かったんだ!!」
「ありがとう」
「ナルト、ナルト…アンタどうして…」
「泣かないで…」
一人一人の言葉に答え
でも、もう決めたからと儚げに笑みを作った。
優しい涙が、皆の頬を伝い
地面に吸い込まれて行く。
もう、殆んど
身体が無いから
彼等を励ますことは、出来ないけれど
──こんなにも、自分を愛してくれて嬉しかった
たとえ、大切な彼等を
悲しませる結果になってしまったとしても
失うことに比べれば、全然辛くなんか無い。
「忘れても良いから…ね………」
「誰がお前を忘れるかよ!!」
「ナルト……っ…!!」
『ミンナ、アリガトウ…』
最後は、声も出せず
口が微かに動いただけだったけれど
確かに、そう言っていたと確信出来る。
キラキラと光る
彼の光は、闇へ解ける様に
空へと昇って行った。
────優し過ぎた、彼を
何時も、何時も思い出す
────僕は今、ちゃんと笑えているよ?
────…そっちはどうだい?
end
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