25人が本棚に入れています
本棚に追加
「ハァハァ…やっと見つけましたよ!キサラギ少佐!」
「何故お前がここに…支部長か…支部長が言ったのか…後で締めとかないと…」
動かなくなってしまった銀髪でしばらく遊んでいようと手を伸ばした瞬間、後ろから高らかに銃声が鳴り響いた。
金髪は面倒そうな表情を丸出しにして、今すぐ消え失せろと言う変わりに氷翔剣(A)を放ち威嚇する。
「変なコスプレまでして…早く隊に戻ってください!」
「変なコスプレだと…!?」
金髪の部下が現れたことで事態が一変し、やっとフリーズしていた銀髪が屍から見事蘇った。
銀髪は凄まじい勢いで金髪の青年から遠ざかると見ず知らずの少女の後ろに身を隠す。
「お前…ジンなのか…悪趣味なコスプレしやがって……今すぐそれ脱げ!こえーんだよ!!」
「そうですよ少佐!それ脱いで隊に戻りますよ!」
「な……なんで兄さんが障害と仲良く……」
金髪は羽織っていた白い布と気味の悪い面を外すと、今度は怒り露にした表情を覗かせる。
何故、このふたりが仲良く一致団結しているのだろうか?
アイツに似た障害なんかと何故?
ジンの心の中を黒い物が満たしていく錯覚。
押さえ切れない衝動。
「障害……きさ……貴様ァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
「なんだコイツ逆切れしたぞ」
「何時ものことです」
銀髪と少尉は冷静に解説し合うと、互いの得物を標的に狙いを定めつつ距離を取る。
もちろん標的は逆切れして収拾つかなくなってしまった哀れな金髪だ。
銀髪の手にはカウボーイを思い出させる荒縄、少尉の手には地引網が収まっている。
「来い!ラインバレ…じゃなくて…グレン…じゃなくて…ああ、もう何でも良いからお前ら殺す!」
「キャラ変わってねぇか?」
「そうですね…まぁ病んでるところは変わっていませんが…」
「「とりあえず…ほ」」
二人の声が見事にハモった瞬間。
誰かの血管がプチっと音を立て、その後間もなくして今度は金髪が屍の様に転がっていた。
秋の夜長、平和なひと時
窯まで曖昧3メートルな思い出
END
最初のコメントを投稿しよう!